ビジネスにおける「チーム」とは? 欧米型チームと日本型チームの違いについて語る
様々なビジネスの場面で「チーム」という言葉を目にすることが増えてきた。チームは、元々スポーツで使われている用語なので、聞こえがいい。勝利に向けてメンバー全員が一丸となって戦う姿勢は、競争状態のビジネスに身を置く企業にとって使いやすい用語だ。
ただ使いやすい用語であるがゆえに、使い方を誤るケースも目に付く。上司が部下たちを鼓舞することを目的として「俺たちはチームなのだから、みんなでがんばろうよ」と言う。こんな場合は大体、部下たちは冷ややかな目を向け反応が極めて薄いはずだ。理由は簡単である。上司は、部や課などの組織の単位を、単にチームと言い換えているだけだからだ。
また、外資系企業や海外企業で働くと、チームという概念そのものが日本と欧米では違うことに気づく。同一のチーム内で、メンバーによって仕事への向き合い方や価値観が違うのだ。
元来、チームに関するマネジメント論は欧米発なので、体系だった方法論や文献も多い。
本稿では、ビジネスにおけるチームの定義、そして日本と欧米とのチームの違いについて解説していきます。
チームの定義
まず、チームの定義についてしっかり認識していこう。
チームとは、定めた共通目標の達成に向けて、個々のメンバーの能力が有機的に結合し、大きな原動力として活動する集合体のことである。
共通目標とは、職位や年次・役職によって目標を分けるのではなく、メンバー全員にとって同一の目標である。その目標の記述は「私たちチームは、いつまでにどういう状態を目指すのか」という質問の回答として、一文で構成されることが望ましい。
定めた共通目標を達成するために必要な人材が、チームメンバーだ。
目標を機能と業務に因数分解し、次に、必要人材の能力と要員数に展開していく。当然、個々のメンバーは能力も違えば経験も違う。メンバー間の共同作業や連携作業を前提として、組み合わせの最適解を見出すことが重要になってくる。
チームの最大の特徴は、構成する個々のメンバーの役割と責任が明確になっていることだ。一人一人が違った役割を持ち、責任を担う。従って、メンバーの一人が欠けてしまうとチームパフォーマンスに大きく影響してしまう。有事の際には、代替メンバーをすぐに調達できることも企業として必要になってくる。
日本型チームの特徴
「チームの活動のために、体調が悪いのを押して参加した」
「チームの利益を優先して、ここはグッと我慢する」
「一人のメンバーが残業していたので、チームのみんなで手伝った」
これらが日本型チームによくある光景だ。日本型チームの特徴は、協力しあう・助け合うことに重きを置いている。これは見方を変えれば、自分犠牲の精神でもある。無理を押して頑張りすぎてしまうのだ。
チームは本来、個々のメンバーがそれぞれの能力を最大限に発揮することが望ましいはずなのだが、日本型チームでは個の能力が削がれてしまうことがある。メンバー間で牽制し合あい、お見合い状態になったり、もしくは責任の押し付け合いになったりしてしまうケースだ。
欧米型チームの特徴
「チームの勝利のために、自身の役割を全うする」
「チームの利益になるからと言って、自身が納得できないことは断る」
「個々のパフォーマンスは違うので、仕事の遅い人は残業して当然だ」
チームといえども、大前提として個々のメンバーが自立していることが、欧米型チームの特徴だ。メンバーは自身に課せられた役割を全うする、つまり自己責任の精神でチームが成立する。メンバーは、自身の仕事以外の業務には基本的に関わらない。他のメンバーの仕事を手伝うことがあるとしたら、ボスの指示によることが通常だ。下手に手伝おうとしたら、その当人から、領域への介入ということで嫌がられてしまう。
こうしたことから欧米型チームでは、個の自立性が強くなりすぎてしまう。結果、チームの協調性や連携性に欠ける可能性を常に孕んでいる。
日本型チームと欧米型チームにはそれぞれ特徴がある訳だが、その違いの背景には、雇用形態と商習慣、そして民族性が強く影響している。従って、どちらのチーム制が良いか悪いかというよりも、双方の特性を踏まえ、足りない部分をどう補強するか、といった考え方が望ましい。
ジョブ型雇用とチーム制
日本では昨今、ジョブ型雇用が流行りつつある。ジョブ型雇用では、個々の社員の職務が、書面として明確に記述される。つまり、役割と責任が明確であるチームの考え方と、ジョブ型雇用とは非常に相性がいいのである。
今後、ジョブ型雇用が日本で普及していくことで、ビジネス上のチーム活動がより活発になっていくことを期待したい。
FIN. July 1st, 2022
